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バッドバンクについて

バッドバンクとは

 金融危機の際によく使用されるバッドバンク、少し調べるくらいでは「銀行の良い資産と悪い資産を切り離す」くらいしかわかりませんでした。
 これではさっぱりよく分かりませんでしたのでバッドバンクのスキームを簡単に説明したいと思います。バッドバンクのスキームは大きく分けて2種類あるようですので一つずつ説明していきます。

バッドバンクのスキーム1

(1)危機に陥っている金融機関が特別目的会社等を設立。
(2)その特別目的会社に資産を移動。
(3)基本的には移動させた資産より低い簿価で債券を発行しその金融機関に渡す。
(4)その債券に政府の保証をつける
 このスキームで悪い資産と良い資産の切り離しができ、債権と悪い資産の差額のみで金融機関が蘇るのです!あとはこの債券の償還期間内にバッドバンク内の資産を回収・償還すればOK。
そのためこの債券は20年等長い期間が設定されるケースが多いようです。
(5)その債券の満期時、政府保証の終了時に債権の清算=損失または利益確定

バッドバンクのスキーム2

(1)政府が政府の管理下のもと、バッドバンク設立のための基金を設立。
(2)危機のある金融機関の資産をバッドバンクに移動
(3)その資産の評価額相当を金融機関に交付
*この資金は政府またはその他の出資者が必要。
この時点で実質損失補てんになる。しかし値上がりによりその資産を売却すれば利益を得ることも。

スキーム1とスキーム2の違いとリスク

 この2つのスキームの違いは、スキーム1が損失の先延ばしをすること、スキーム2が損失を政府機関等が補填することだと思います。
 そしてこの2つのスキームに共通するリスクは金融機関の保有するリスク資産が政府や出資者の資金力を超える場合は機能しない点だと考えられます。
では過去のバッドバンク設立の例を見ていきたいと思います。

過去のバッドバンクの例

 最初のバッドバンク設立例は1980代にアメリカのメロンバンクが行い、業績が短期間で改善したようです。最近ではアメリカがサブプライムローン問題を発端とする不良債権に対し1兆ドル規模の買い取りを実施、スペインが債務危機によりバッドバンク(SAREB)500億ユーロ規模を設立。
アメリカのケースでは2008年9月15日にリーマン破綻、2008年9月19日頃に発表ですのでリーマンショックでは急落しましたがその半年後あたりから株価はV字回復。スペインでは2012年の10月ごろで、すでにNYダウは市場最高値に迫っています。このことからバッドバンクの設立は今の所うまく行っているといえると思います。
ちなみアメリカのGDPが2011年で約15兆ドル、国家予算は歳入・約2兆5,000億ドル、歳出・約3兆8,000億ドルです。
スペインのGDPが2011年で約1.5兆ドル、国家予算が歳入約370億ユーロ、歳出約470億ユーロです。
どちらも国家予算とあまり遜色ないレベルですね(^^:)
では最近話題のキプロスは?
2011年のGDPが約250億ドル、国家予算が歳入が約70億ユーロ、歳出が約80億ユーロ。
そして要請している支援は100億ユーロ。銀行資産は約1200億ユーロだそうです。
GDPに対して大きいといわれていますが、このように見るとスペインなどと飛びぬけて大差なさそうですが・・・
そしてこの基金は教会が出す可能性があるとか!
ヨーロッパの教会はどれくらいの資金があるのでしょう(><)

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