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金利と株式市場・為替市場との関連性
金利の上昇・低下と株式・為替相場との関係性について説明していきたいと思います。
まず、その前に押さえておきたいのが、金利の上昇には2つの種類があるということです。その2つとは「いい金利上昇」と「悪い金利上昇」です。つまり金利が上昇したからといって、相場が常に同じように動く訳ではないのです。それでは「いい金利上昇」と「悪い金利上昇」についてそれぞれ説明していきます。
いい金利上昇
いい金利上昇とは簡単に説明すると景気が良くなり、①資金需要が増え金利が上昇するケースです。また資金需要が増えるのみでなく、②景気が良く株式市場が上昇するため債券が売られ株式に投資資金がうつることによって起こる株高債券安の展開、③景気がいいために起こる物価の上昇=インフレを抑制するために中央銀行による短期金利の利上げなどがあります。
(短期金利・長期金利の値動きに関しましてはイールドカーブのページを参照)
悪い金利上昇
次に悪い金利上昇について説明します。悪い金利上昇とは、①財政懸念による金利上昇です。つまり、その国が危ないつぶれるかもと考えられ、その国の債券が売られ金利が上昇するのです。投資家から見ると危ない国なのでそれなりの金利をもらわないと、その国の債券を買わないよという事です。(短期金利は低く抑えますが長期金利が上がりイールドカーブが急になります。)
またその国の財政が健全でも金利が一時的に上昇するケースもあります。それは②金融危機時です。ひとたび金融危機がおきると投資家はリスク資産の縮小、信用収縮が起きます。すなわちリスク資産の売却し手持ちの資金を確保しようと動きます。外資の大手金融機関は自らも投資家となっているため、この動きは大手も金融機関でも起きます。日本の金融機関ようにあまりリスクをとっていない銀行も、皆が資金を出さなくなれば急な資金の確保ができなる恐れがあるので資金を確保しようとします。
この負の連鎖で銀行間の短期金利が急激に上昇してしまうのです。
相場への影響
それでは肝心の株式相場・為替相場での影響についてお話します。まず「いい金利上昇」のケースでは株高債券安の展開になり、景気がよく金利が上昇するため高い金利がつくので為替相場は上昇します。(しかし日本は輸出企業が国を支えていると行っても過言ではありませんので通貨安→景気上昇→いい金利上昇となるケースほとんどですが・・)
次に「悪い金利上昇」のケースでは、財政不安→その国が危ないので当然その国の企業も危ない、という事で株安、通貨安となります。(こちらも日本のケースでは通貨高→景気低迷→財政不安→悪い上昇となるケースもありますが)
このように国によって相場への影響は異なってきますが、その金利上昇がどこから始まり、「いい金利上昇」なのか「悪い金利上昇」を見分けると相場の値動きを予想することができると思います。
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