投資信託入門・始め方/注意点

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クーポンスワップの基礎知識

クーポンスワップとは?
 クーポンスワップとただネットで検索しても「異なる通貨の金利を交換する」としか記載されていないサイトがほとんどだと思います。実務上は想定元本というものを使い、実際に通貨の交換をしているケースがほとんどです。
 簡単に説明すると想定元本10億円2%の円・米ドルクーポンスワップですと、おおよそ2000万円の日本円と米ドルを毎年交換していくのです。この交換金額が想定元本にたいする利息(クーポン)にあたります。これでは全く分かりませんので実務例をあげて説明したいと思います。
クーポンスワップの実務例
 クーポンスワップは主に輸出入を伴う企業が活用しています。例えば年間1億ドル分の商品をオーストラリアから輸入していた場合、より良いレートでオーストラリアドルの購入してしまおう、というのがクーポンスワップなのです。
取引例1(プレーンバニラ)
期間5年
毎月10万豪ドル交換
交換レート:1豪ドル=75円(現在のレート82円)
 このような取引を行うと現在1ドル82円の豪ドルがなんと75円で購入できてしまうのです☆
なぜこのようなレートで交換できるかは為替先物・理論価格のページを参考にしてください。 毎月10万ドルの交換ですので7円×10万=70万円も特するわけです。
 クーポンスワップの実務上の定義は「長期間、定期的に異なる通貨を一定金額を交換する」といってもよいと思います。
クーポンスワップのリスク
  しかし、もし為替レートが75円よりも円高に推移したらどうなるのか?例えば1豪ドル=70円になったとすると、5円×10万=50万。なんと毎月50万円もの損失がでてしまうのです。
様々なクーポンスワップ
 先ほど例にあげたクーポンスワップはあくまで最も単純な取引例であり、実務ではお客様の要望により、さらにレートを良くしたりすることがあります。例えば現在82円のものを68円などにすることも可能です。その時に使用されるのがレバレッジやギャップ、ノックアウトをいうデリバティブです。
レバレッジ
取引例1であげたクーポンスワップにレバレッジ2倍をつける。
期間5年
毎月10万豪ドル交換
交換レート:1豪ドル=70円(現在のレート82円)
条件:為替レートが1豪ドル70円以下になった場合を交換金額が二倍になる。
 この条件がおわかりでしょうか?つまり、1豪ドル=
82円;+120万  75円;+50万 70円;±0  65円;-100円
となるのです。70円から5円上のときは+50万ですが、70円を下回れば交換金額が2倍になり損失が2倍になるのです。
ギャップ
  取引例1であげたクーポンスワップにギャップをつける。
期間5年
毎月10万豪ドル交換
交換レート:1豪ドル=70円(現在のレート82円)
条件:為替レートが1豪ドル70円以下になった場合を交換レートが+10円の80円になる。
 このギャップは現在の為替レートがある一定のレートに達すると高いレートで交換を行わなければいけないというものです。例えば、1豪ドル=
82円;+120万  75円;+50万 70円;-100万(交換レートが70円から80円に)  65円;-150万となるのです。
ノックアウト
  ノックアウトとはある一定の条件になった時に取引が解消されるというものです。この一定の条件とは投資家が有利な状況になった時が基本です。
取引例1であげたクーポンスワップにノックアウトをつける。
期間5年
毎月10万豪ドル交換
交換レート:1豪ドル=75円(現在のレート82円)
条件:為替レートが1豪ドル85円以上になった場合を取引を解消する。
この場合は1豪ドル=
65円;-100万  75円;±0  80円;-50万 85円;取引終了
となるのです。つまり自分が大きく儲けることのできる局面で取引が終了してしまうのです。

実務ではこれらのレバレッジ、ギャップ、ノックアウトをいくつか組み合わせでレート良くしているのです。
リーマンショック後に起こったクーポンスワップ問題
  リーマンショックの際起きた事件が、某飲食店の100億以上の損失や、某大学による巨額損失です。銀行や証券会社による実需の必要のない企業に対しての売り込みや、実需は必要であっても実需以上の取引を求めた結果がクーポンスワップによる巨額損失や中小企業の倒産です。クーポンスワップは先程の例にあげたように、毎月10万ドルのオーストラリアドルを使う企業にとっては大変、有益な取引だと考えます。しかし、実需のない企業にとっては非常にリスクのある、最悪本業が黒字にも関わらず倒産の危機に直面するようなリスクの大きな取引です。取引の前には慎重な判断をされたほうがよいでしょう。

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